気胸を契機に診断された肺大細胞神経内分泌癌の1例
a日産厚生会玉川病院呼吸器内科
b同 気胸研究センター
症例は49歳,男性.呼吸困難を主訴に近医を受診し,右自然気胸の診断で日産厚生会玉川病院に紹介された.入院時の胸部CTでは肺尖部に空洞を伴う結節影がみられた.悪性腫瘍合併気胸を疑ったため,胸腔鏡下に肺部分切除を行い,気胸治療と腫瘍の生検診断を行った.組織学的に肺大細胞神経内分泌癌と診断し,気胸の原因は空洞壁の破綻であると考えられた.右上葉切除術,縦隔リンパ節郭清を追加し,切除標本に癌の遺残は認めなかった.気胸肺の胸膜下に結節影を認める際には,大細胞神経内分泌癌を含めた肺癌の合併を考慮して診断,治療を行う必要がある.
Received 20 Nov 2013 / Accepted 6 Jan 2014
連絡先:芳賀 高浩
〒158-0095 東京都世田谷区瀬田4-8-1
日産厚生会玉川病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(3): 446-450, 2014