ベバシズマブとエルロチニブの併用療法中に腸管気腫症を発症した肺腺癌の1例
突田 容子a 渡邉 香奈a 盛田 麻美a 綿貫 善太a 鈴木 綾a 福原 達朗a 内海 潔b 藤谷 恒明c 前門戸 任a
a宮城県立病院機構宮城県立がんセンター呼吸器内科
b同 消化器内科
c同 消化器外科
症例は69歳,男性.4期肺腺癌の診断で,1次治療から3週ごとにベバシズマブ(bevacizumab:BEV)を継続投与していた.3次治療としてエルロチニブ(erlotinib)+BEV併用療法を施行し,3サイクル目に,無症候性の腹腔内遊離ガスの存在を認め,精査後,腸管気腫症と診断した.BEV・エルロチニブの中止と保存的治療により,気腫は改善した.BEV・エルロチニブ投与中の腸管気腫症の報告はなく,BEVの投与機会の増加に伴い,腸管気腫症の発症も増加することが懸念され,報告した.
Received 20 Nov 2013 / Accepted 10 Feb 2014
連絡先:突田 容子
〒981-1293 宮城県名取市愛島塩手字野田山47-1
宮城県立病院機構宮城県立がんセンター呼吸器内科
日呼吸誌, 3(3): 442-445, 2014