肺癌化学療法中に発症したMycobacterium fortuitum肺感染の1例
田代 宏樹 高橋浩一郎 加藤 剛 小宮 一利 荒金 尚子 林 真一郎
佐賀大学医学部内科学講座血液・呼吸器・腫瘍内科
症例は53歳,男性.2009年12月に肺線癌(cT4N3M1 stage IV)と診断され,化学療法を2コース施行した.2コース目開始後10日目に発熱が出現し胸部X線・CT検査で左肺尖部に空洞を伴う浸潤影を認めた.Mycobacterium fortuitumが同定され,clarithromycin,amikacin,levofloxacin 3剤で治療し改善を認めた.M. fortuitum肺感染症は,化学療法などの免疫抑制状態に合併し急性発症することがあるが報告例は少なく文献考察を含め報告する.
Mycobacterium fortuitum 肺癌 化学療法
Received 8 Nov 2013 / Accepted 6 Jan 2014
連絡先:高橋 浩一郎
〒849-8501 佐賀市鍋島5-1-1
佐賀大学医学部内科学講座血液・呼吸器・腫瘍内科
日呼吸誌, 3(3): 438-441, 2014