日本呼吸器学会誌：繰り返す血痰と移動性肺野陰影を認めた血管型エーラス・ダンロス症候群の1例

Vol.3 No.3 目次

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症例

繰り返す血痰と移動性肺野陰影を認めた血管型エーラス・ダンロス症候群の1例

滝口　寛人^a,b 安達　優真^a 原　　靖果^a 沼倉　忠久^a,c 浅野浩一郎^b 籏持　　淳^d 松浦　圭文^a

^a一般財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院呼吸器センター内科
^b東海大学医学部内科学系呼吸器内科学
^c東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野
^d獨協医科大学皮膚科学教室

要旨

症例は31歳，女性．9年前より血痰を繰り返し入院した．胸部CTにて10 mm大の結節陰影，空洞性病変を認めた．繰り返し精査が行われたが確定診断には至らなかった．今回の入院で，過度の関節可動域を認めることなどから血管型エーラス・ダンロス症候群を疑った．COL3A1遺伝子変異は検出されなかったが，培養皮膚線維芽細胞でのIII型/I型コラーゲン産生量比が健常者由来細胞の29.0％と低値であることから，本症と診断した．原因不明の喀血に遭遇した場合，本症を鑑別にあげる必要があると考えられる．

キーワード

エーラス・ダンロス症候群血痰肺野結節影空洞性病変

Received 20 Sep 2013 ／ Accepted 25 Dec 2013
連絡先：滝口　寛人
〒259-1193　神奈川県伊勢原市下糟屋143
一般財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院呼吸器センター内科

日呼吸誌, 3(3): 414-417, 2014

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