Topics 5 併存症・合併症のインパクトとその対策
京都大学大学院医学研究科呼吸器内科
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は比較的高齢で,大多数が喫煙経験者であり,呼吸器合併症および全身併存症の頻度が高い.また,非COPD喫煙高齢者よりも合併症・併存症の頻度が高いことも知られており,その機序として全身炎症などが想定されている.これらがCOPDの自然歴や予後に影響を与えると知られており,COPDは,全身性疾患としてとらえ,管理する必要がある.近年の大規模臨床研究から,COPDの併存症の種類と頻度,およびそれらがCOPDの経過に与える影響が明らかになりつつある.COPD診療においては,併存する疾患に対する包括的な診療アプローチが必要であろう.
連絡先:室 繁郎
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京都大学大学院医学研究科呼吸器内科
日呼吸誌, 3(3): 344-351, 2014