肺外病変を示唆するCT所見を呈し胸膜腫瘍との鑑別を要した肺癌肉腫の芽腫様亜型の1例
a佐賀県医療センター好生館腫瘍内科
b同 呼吸器内科
c同 病理検査科
症例は78歳,男性で,呼吸困難のため近医受診.胸部X線写真で左中下肺野に長径8 cmの腫瘤影を指摘され佐賀県医療センター好生館呼吸器内科紹介.胸部CTでは,左上葉腹側胸膜面から中枢側に向かって凸状の約10 cmの腫瘍性病変を認め,胸膜腫瘍との鑑別が困難であった.腹臥位CTでは病変と胸壁の間に胸水が移動したことから,肺腫瘍と判断した.術前の確認のために局所麻酔下胸腔鏡検査を施行し,左上葉腹側から胸腔へ突出する腫瘍性病変を認めた.確定診断・治療目的に手術を行い,高悪性度胎児肺型腺癌と横紋筋肉腫からなる肺癌肉腫の芽腫様亜型と診断した.
Received 10 May 2013 / Accepted 23 Oct 2013
連絡先:森塚 達也
〒840-8571 佐賀市嘉瀬町大字中原400
佐賀県医療センター好生館腫瘍内科
日呼吸誌, 3(2): 304-308, 2014