再投与にて診断したN-アセチルシステイン吸入による薬剤性肺障害の1例
奥田 良 和田 翔子 大場 智広 小出 卓 天野 雅子 松島 秀和
さいたま赤十字病院呼吸器内科
症例は68歳,男性.特発性肺線維症に対しN-アセチルシステイン(N-acetylcysteine)の吸入を開始した.開始10日後より発熱,鼻汁,すりガラス影が出現した.特発性肺線維症急性増悪を疑いステロイドパルス療法を行うも,特発性肺線維症急性増悪としては治療反応性が良好であり,薬剤性肺障害が鑑別にあがりN-アセチルシステインの再投与を行った.再投与後に発熱,鼻汁,すりガラス影が出現し,休薬のみで発熱と陰影は改善した.以上より薬剤性肺障害と診断した.N-アセチルシステインによる薬剤性肺障害の報告は今までなく,貴重な症例と考えられた.
N-アセチルシステイン 間質性肺炎 特発性肺線維症 薬剤性肺障害 薬剤負荷試験
Received 23 Oct 2013 / Accepted 20 Nov 2013
連絡先:奥田 良
〒338-8553 埼玉県さいたま市中央区上落合8-3-33
さいたま赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(2): 300-303, 2014