心房中隔欠損によるplatypnea-orthodeoxia症候群の1例
石黒 卓a 高柳 昇a 山本 学a 堤 穣志b 宮本 敬史b 合地 美奈a 杉田 裕a
a埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
b同 循環器内科
症例は76歳,男性.慢性鳥関連過敏性肺炎のため通院していたが呼吸状態は安定していた.2012年10月において酸素飽和度(SpO2)91%(坐位・1 L/min・鼻カニュラ)と低く,経胸壁心臓超音波検査や胸部CT検査などを施行したが原因は不明だった.2013年2月埼玉県立循環器・呼吸器病センター受診時のSpO2(坐位・4 L/min,経鼻カニュラ)73%,呼吸困難とSpO2が臥位にて改善,坐位で悪化した.経食道心臓超音波検査にて心房中隔欠損を確認した.心房中隔欠損を通しての右左シャントが,坐位にて増加したことによるplatypnea-orthodeoxia症候群と診断した.本例では慢性過敏性肺炎による肺の容積減少に伴いplatypnea-orthodeoxia症候群が顕在化した可能性がある.
プラチプネア オルソデオキシア 心房中隔欠損 シャント 慢性過敏性肺炎
Received 2 Sep 2013 / Accepted 13 Nov 2013
連絡先:石黒 卓
〒360-0965 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 3(2): 287-292, 2014