悪性リンパ腫の化学療法後に呼吸不全が進行し,閉塞性細気管支炎と診断された1例
西原 智恵a 片平 雄之b 野上 裕子b 橋本 直純c 岩永 知秋b
a独立行政法人国立病院機構福岡病院心療内科
b同 呼吸器内科
c名古屋大学大学院医学系研究科呼吸器内科
閉塞性細気管支炎(bronchiolitis obliterans:BO)は,移植後の合併症として頻度が高いが,非移植例は非常にまれである.今回,悪性リンパ腫治療後にBOを発症した例を経験したので報告する.症例は63歳,女性.非ホジキンリンパ腫に対し化学療法(R-CHOP療法)を受け部分寛解に至った後,呼吸困難と閉塞性換気障害の進行を認めた.高分解能CT(high-resolution CT:HRCT)でモザイク像を呈し,胸腔鏡(video-assisted thoracic surgery:VATS)下肺生検で線維化による細気管支の閉塞像を認め,進行したBOと診断.現在,陽圧換気下に経過観察中である.
Received 29 Aug 2013 / Accepted 2 Dec 2013
連絡先:野上 裕子
〒811-1394 福岡市南区屋形原4-39-1
独立行政法人国立病院機構福岡病院心療内科
日呼吸誌, 3(2): 281-286, 2014