両肺の多発性陰影と膿痂疹を呈したLemierre症候群の1例
青山 崇 田中 誠 廣田 貴子 石井 寛 藤田 昌樹 渡辺憲太朗
福岡大学医学部呼吸器内科
症例は26歳,男性.歯肉痛を数ヶ月放置した後,発熱,咽頭痛が出現し,近医で扁桃炎と診断され内服治療を受けた.しかしその後,皮膚膿痂疹,呼吸困難,背部痛が出現したため,福岡大学病院へ搬送された.血液培養は陰性であったが,両肺末梢に多発する結節状の浸潤影に加えて,左内頸静脈内の血栓を認め,一連の症状はLemierre症候群によるものと診断した.また,膿痂疹からPorphyromonas asaccharolyticaが検出された.膿痂疹を合併したLemierre症候群はまれと考えられ,報告した.
Received 12 Aug 2013 / Accepted 14 Nov 2013
連絡先:石井 寛
〒814-0180 福岡市城南区七隈7-45-1
福岡大学医学部呼吸器内科
日呼吸誌, 3(2): 260-264, 2014