PET-CTを参考にCTガイド下生検にて診断を得た線維形成型悪性胸膜中皮腫の1例
石岡 佳子a 中川 英之a 山本 勝丸a 下山亜矢子a 八木橋法登b
a独立行政法人国立病院機構弘前病院呼吸器科
b同 臨床検査科
症例は71歳,男性.咳嗽・胸痛で発症.胸水検査や盲目的胸膜生検などを繰り返したが,診断に至らなかった.PET-CTで集積が認められた,胸膜の一部をねらったCTガイド下生検により,線維形成型悪性胸膜中皮腫(desmoplastic malignant mesothelioma:DMM)と診断された.DMMは胸水検査や胸膜生検による診断が困難で,これまでの国内例では,胸腔鏡下生検や病理解剖などで診断がつけられている.本症例ではPET-CTを参考にすることで,より負担の少ないCTガイド下生検を有効に用いることができた.
Received 12 Aug 2013 / Accepted 21 Nov 2013
連絡先:中川 英之
〒036-8545 青森県弘前市大字富野町1
独立行政法人国立病院機構弘前病院呼吸器科
日呼吸誌, 3(2): 255-259, 2014