画像上散在性薄壁肺嚢胞を認め緩徐な臨床経過を示したリンパ脈管筋腫症の1例
杉﨑 緑a,* 榎本 達治a,# 横須賀哲哉b 林 大久生c 牛尾 良太a,† 小林 利子b 阿部 信二a
a東京都立広尾病院呼吸器科
b同 外科
c順天堂大学医学部人体病理病態学
*現 神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科
#現 大船中央病院呼吸器内科
†現 横浜市立大学付属病院呼吸器内科
症例は37歳の女性.2度にわたる気胸発症を契機にリンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis:LAM)と診断した.胸部CTでは,右気胸に加え,両側に2.0~3.5 cm大の薄壁嚢胞を散在性に5つ認めた.また,この所見は約1年の経過で大きな変化を認めなかった.病理組織学的検索では,LAMとして典型的所見を示す部分とともに,リンパ管が乏しく,毛細血管の介在が目立ち,α-SMA,VEGF-Dが陰性のLAMとしては非典型的な部位が含まれた.本症例は,リンパ管新生能が乏しいLAMと考えられた.
Received 6 Aug 2013 / Accepted 18 Nov 2013
連絡先:榎本 達治
〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船6-2-24(現所属)
大船中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(2): 251-254, 2014