胸部脾症の1例
二木 俊江a,b 奥山 貴子a 内田 純二a 西野 和美a 熊谷 融a 今村 文生a
a大阪府立成人病センター呼吸器内科
b大阪済生会千里病院呼吸器内科
症例は38歳,女性.人間ドックで胸部異常陰影を指摘され近医を受診.胸部X線で左下肺野に腫瘤影を認め,胸部CTにおいても左葉間胸膜外側と左肺底部背側に結節性の胸膜肥厚を認めたため,精査目的に大阪府立成人病センターへ紹介となった.交通外傷による脾破裂・横隔膜破裂の既往と胸部画像所見より,胸部脾症を疑い,放射線核種テクネチウム99mスズコロイド(99mTc-Sn colloid)による画像診断にて診断に至った.我が国における胸部脾症の報告例はきわめてまれで,貴重と考えられるため報告する.
Received 19 Jul 2013 / Accepted 11 Nov 2013
連絡先:二木 俊江
〒537-8511 大阪市東成区中道1-3-3
大阪府立成人病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 3(2): 241-244, 2014