気胸を合併した間質性肺炎患者におけるステロイド剤の影響の検討
一色 琢磨a,b 前村 啓太a 竹島 英之a 槇田 広佑a 平澤 康孝a 鈴木 未佳a 河野千代子a 山田 嘉仁a 山口 哲生a 本間 栄b
aJR東京総合病院呼吸器内科
b東邦大学医療センター大森病院呼吸器内科
間質性肺炎の診療でしばしば気胸の合併を経験する.過去12年の間にJR東京総合病院呼吸器内科に入院した間質性肺炎患者227例のうち,経過中に気胸を合併した29例を対象として,気胸発症時のcorticosteroids(CS)の投与の有無で2群に分類し後方視的に検討した.CS群では慢性呼吸器感染症の合併が多く,non-CS群では上葉優位に線維化を呈する症例が多かった.また,CS投与下では気胸が難治であった.間質性肺炎は自然経過で気胸を合併する症例群とCSが誘因となり気胸を合併する症例群を認め,多彩な臨床像を呈する.
Received 2 Jul 2013 / Accepted 26 Nov 2013
連絡先:一色 琢磨
〒151-8428 東京都渋谷区代々木2-1-3
JR東京総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(2): 207-213, 2014