特徴的な画像経過を呈した乳癌の肺腫瘍塞栓の1例
大西 真裕a 小林 哲a 都丸 敦史a 高橋 佳紀a 藤原研太郎a 浦和 昌史a 高木 健裕a 小林 裕康a ガバザ・エステバンb 田口 修a
a三重大学医学部附属病院呼吸器内科
b三重大学医学部免疫学
症例は44歳,女性.2006年,乳癌の診断で手術が施行され,以降薬物療法にて再発は認めず安定していた.2010年6月,血痰,胸痛が出現し,8月に三重大学医学部附属病院を紹介受診となった.胸部CTでは,両側胸膜直下に結節影を認め,経時的に改善と出現増悪を繰り返した.同部位はFDG-PET/CTでも軽度のFDG集積を認めた.胸腔鏡下肺生検にて,乳癌の肺腫瘍塞栓の診断に至った.多発する肺腫瘍塞栓はまれであり,さらにCT画像の経時的変化とFDG-PET/CTにおけるFDG集積を確認することができた.若干の文献的考察を加え報告する.
Received 16 May 2013 / Accepted 19 Aug 2013
連絡先:大西 真裕
〒514-8507 三重県津市江戸橋2-174
三重大学医学部附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(1): 142-147, 2014