左上葉切除術が必要であったカテーテルアブレーション後肺静脈狭窄の1例
桂田 直子a,* 大西 尚a 吉村 将a 木南 佐織a 西馬 照明a,†
a明石医療センター呼吸器内科
*現 亀田総合病院呼吸器内科
†現 加古川西市民病院呼吸器内科
症例は60歳,男性.血痰,左胸痛を主訴に受診した.胸部CTで斑状の浸潤影を認め,肺炎を疑い抗菌薬を投与するも症状は持続した.発作性心房細動に対するカテーテルアブレーションの既往があり,胸部CTで左上肺静脈の狭窄を認め,アブレーション後の肺静脈狭窄による肺出血が原因と考えられた.手術では左上肺静脈入口部は高度に狭窄し,上肺静脈に血流はあったが大量の血栓が存在し,肺は硬化していたため,左上葉切除術を施行した.呼吸器症状を呈し,カテーテルアブレーションの既往があれば,まれな合併症ではあるが肺静脈狭窄も鑑別にあげる必要がある.
Received 6 Aug 2013 / Accepted 2 Oct 2013
連絡先:大西 尚
〒674-0063 兵庫県明石市大久保町八木743-33
明石医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 3(1): 137-141, 2014