肺炎球菌尿中抗原陽性を呈したStreptococcus oralis,Granulicatella adiacens誤嚥性肺炎・菌血症の1例
中西 雅樹a,b 藤友結実子b 稲葉 亨b 藤田 直久a,b 山田 幸司a,b 家原 知子a,c
a京都府立医科大学附属病院感染対策部
b同 臨床検査部
c同 小児科
症例は39歳,男性.京都府立医科大学附属病院小児科に通院中,肺炎の診断で入院した.肺炎球菌尿中抗原が陽性を呈したが,血液培養ではStreptococcus oralis,Granulicatella adiacensを検出し,同菌による誤嚥性肺炎・菌血症と考えられた.肺炎球菌尿中抗原が陽性を呈した原因として,S. oralisが,Streptococcus pneumoniaのもつC-polysaccharide様の抗原を有することから偽陽性が生じたと考えられた.誤嚥性肺炎で肺炎球菌尿中抗原が陽性を示した場合には,S. oralis感染による偽陽性も考慮する必要がある.
肺炎球菌尿中抗原 偽陽性 誤嚥性肺炎 Streptococcus oralis
Received 10 Jul 2013 / Accepted 25 Sep 2013
連絡先:中西 雅樹
〒602-8566 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465
京都府立医科大学附属病院感染対策部
日呼吸誌, 3(1): 133-136, 2014