遷延する鼻症状後に発症した好酸球性細気管支炎の1例
諏訪 陽子a,* 林 正周a 栗山 英之a 江部 佑輔a 西堀 武明b 佐藤 和弘a
a長岡赤十字病院呼吸器内科
b同 感染症科
*現 燕労災病院内科
症例は57歳,女性.十数年前から鼻汁と鼻閉を繰り返し,しだいに咳嗽も出現した.吸入ステロイド薬等の治療を受けたが,改善せず呼吸不全を呈した.末梢血と気管支肺胞洗浄液で好酸球増多を伴い,胸部CTでびまん性の小葉中心性陰影を認めた.気管支鏡下肺生検では細気管支から肺胞にかけて好酸球浸潤を認め,好酸球性細気管支炎と診断した.経口ステロイド薬治療で,呼吸不全,鼻症状ともにすみやかに改善した.好酸球性細気管支炎が好酸球性気道疾患の一部分症状として存在する可能性を論じた報告もあり,本例もそれを支持する貴重な症例と考え報告する.
Received 24 Jun 2013 / Accepted 15 Oct 2013
連絡先:諏訪 陽子
〒940-2085 新潟県長岡市千秋2-297-1
長岡赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(1): 128-132, 2014