腫瘤性および間質性肺病変を呈し,高Ca血症を伴った原発性マクログロブリン血症の1例
国立病院機構熊本医療センター呼吸器内科
症例は83歳,男性.視力低下や羞明,呼吸困難を主訴に受診.IgM-λ型M蛋白血症を認め,骨髄でリンパ形質細胞の増殖を認めた.胸部CTでは肺門縦隔リンパ節腫脹,右肺中下葉にまたがる腫瘤影と右下葉の腫瘤影,両側肺野のすりガラス影が認められた.それぞれの経気管支肺生検でIgMとλ陽性のリンパ形質細胞浸潤が観察され,原発性マクログロブリン血症(原マ症)とその肺病変と診断した.過粘稠度症候群と高Ca血症が認められ,治療抵抗性であった.肺腫瘤影の診断においては原マ症による肺病変も鑑別となるため,蛋白分画の異常などにも注意する必要がある.
マクログロブリン血症 経気管支肺生検 過粘稠度症候群 高Ca血症
Received 6 Jun 2013 / Accepted 26 Aug 2013
連絡先:柏原 光介
〒860-0008 熊本市中央区二の丸1-5
国立病院機構熊本医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 3(1): 111-115, 2014