カテーテルアブレーション後に併発した肺静脈閉塞によるうっ血性肺梗塞症の1例
富田 康裕 松澤 令子 黒田 浩一 高橋 幸子 池ノ内紀祐 原 徹
愛知県厚生農業協同組合連合会安城更生病院呼吸器内科
症例は43歳,男性.発作性心房細動に対し,カテーテルアブレーションを施行.約5ヶ月後に発熱,血痰を主訴に受診.左舌区に間質影を認めた.抗菌薬治療への反応に乏しく,経気管支肺生検を施行.病理学検査にて間質の器質化や肺胞壁の肥厚,ヘモジデリン貪食マクロファージなど,うっ血性肺梗塞症の所見を認めた.胸部造影3D-CTにて左上肺静脈の閉塞を認め,カテーテルアブレーションに併発した肺静脈閉塞,それに伴ううっ血性肺梗塞症と診断した.本症は新規治療の合併症として重要であり,その診断に胸部造影3D-CTが有用であったため報告する.
Received 2 May 2013 / Accepted 3 Sep 2013
連絡先:原 徹
〒446-8602 愛知県安城市安城町東広畔28番地
愛知県厚生農業協同組合連合会安城更生病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(1): 84-88, 2014