クロピドグレル(clopidogrel)による器質化肺炎の1例
九州厚生年金病院呼吸器内科
症例は78歳,男性.急性心筋梗塞に対し,冠動脈ステント留置の際にクロピドグレルが開始された.クロピドグレル開始から16ヶ月後の胸部CTで右下葉に浸潤影を認め,その2週間後の胸部CTでは浸潤影の右下葉内でのwanderingを認めた.クロビドグレル中止により浸潤影の改善があり,気管支鏡検査で器質化肺炎の所見を認めたことから,クロビドグレルによる薬剤性器質化肺炎と診断した.本例はクロピドグレルによる薬剤性器質化肺炎の文献的報告としては初めてのものとなる.
Received 30 Apr 2013 / Accepted 19 Jul 2013
連絡先:井上 勝博
〒806-8501 福岡県北九州市八幡西区岸の浦 1-8-1
九州厚生年金病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(1): 79-83, 2014