術後肺転移をきたした小脳血管周皮腫の1例
古田健二郎 高岩 卓也 池田 慧 西山 明宏 吉岡 弘鎮 石田 直
倉敷中央病院呼吸器内科
血管周皮腫(hemangiopericytoma)は血管内膜を覆う周皮細胞を起源とする,まれな軟部組織腫瘍の一つであり,外科的治療の後にも高率に局所再発や転移再発をきたすことが知られている.症例は47歳,男性で,小脳原発の血管周皮腫の術後経過観察中に,右肺腫瘍を指摘されて入院となった.気管支鏡検査では診断に至らず,超音波ガイド下経皮生検の結果,血管周皮腫の転移再発との診断に至り,temozolomideによる化学療法を行ったが奏効せず死亡した.本疾患の肺転移に関する報告は少なく文献的考察を加えて報告する.
血管周皮腫 転移性肺腫瘍 孤立性線維性腫瘍 脳腫瘍 テモゾロミド
Received 5 Apr 2013 / Accepted 15 Oct 2013
連絡先:古田 健二郎
〒710-8602 岡山県倉敷市美和1-1-1
倉敷中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(1): 75-78, 2014