慢性壊死性肺アスペルギルス症に合併したActinomyces naeslundiiによる肺放線菌症の1例
加藤 香織a,b 今永 知俊a 森脇 篤史a 榎津 愛実a 片平 雄之a 迎 寛b
a社会医療法人製鉄記念八幡病院呼吸器内科
b産業医科大学医学部呼吸器内科学
症例は70歳,男性.慢性壊死性肺アスペルギルス症の治療中に胸部CTで右下葉背側に2 cm大の結節影と周囲の胸膜肥厚を認めた.超音波ガイド下に結節影を穿刺し,膿性の穿刺液からActinomyces naeslundiiを含む3菌が検出された.放線菌の混合感染による肺膿瘍と診断し,抗菌薬投与を行い改善した.本症例は画像上,肺真菌症との鑑別が困難であったが,穿刺液から診断に至った.A. naeslundiiは菌塊を形成しないため同定が難しく,本菌による肺放線菌症の報告はまれであった.
慢性壊死性肺アスペルギルス症(CNPA) 放線菌症 肺膿瘍 Actinomyces naeslundii
Received 12 Feb 2013 / Accepted 15 Aug 2013
連絡先:加藤 香織
〒805-8508 福岡県北九州市八幡東区春の町1-1-1
社会医療法人製鉄記念八幡病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(6): 751-755, 2013