Pulmonary inflammatory myofibroblastic tumorの1例
勝又 優a 坂口 幸治a 鹿児島 崇b 山崎 善隆b 市川 徹郎c 堀尾 裕俊d
a地方独立行政法人長野県病院機構長野県立須坂病院呼吸器外科
b同 呼吸器内科
c同 病理臨床検査科
dがん・感染症センター都立駒込病院呼吸器外科
症例は74歳,女性.人間ドックで胸部異常影を指摘され当院を紹介された.胸部CTでは左S5に30 mm大の腫瘤を認め,PET/CTでは同病変のみに異常集積(SUVmax 10.37)を認めた.気管支鏡検査では確定診断に至らずも悪性疾患を否定できないため,胸腔鏡下生検を施行した.胸腔内を観察すると舌区に表面平滑な3 cm大の腫瘤を認めた.病変を含めて肺部分切除を行い,迅速病理診断に提出したところ,間質系組織の増殖を認めたが悪性所見はなかった.免疫染色でのanaplastic lymphoma kinase(ALK)陽性と病理所見からpulmonary inflammatory myofibroblastic tumor(PIMT)と最終診断した.PIMTはまれな疾患で,悪性腫瘍との鑑別は困難である.
肺炎症性筋線維芽細胞性腫瘍 IMT 肺癌 悪性腫瘍 鑑別診断
Received 15 Mar 2013 / Accepted 17 May 2013
連絡先:坂口 幸治
〒382-0091 長野県須坂市須坂1332
地方独立行政法人長野県病院機構長野県立須坂病院呼吸器外科
日呼吸誌, 2(5): 646-650, 2013