間質性肺炎に合併したplatypnea-orthodeoxia syndromeの1例
吉村 克洋a 横村 光司a 大前美奈子a 佐藤 慈子a 大谷 速人b 須田 隆文c 千田 金吾c
a聖隷三方原病院呼吸器内科
b同 循環器科
c浜松医科大学第二内科
症例は73歳,女性.間質性肺炎の経過中に呼吸困難と低酸素血症が出現したが間質性肺炎の悪化はなく,肺血栓塞栓症や心不全も否定された.本症例は座位で症状が出現し,経食道心臓超音波検査で卵円孔を介したシャント血流が確認され,心内右左シャントによるplatypnea-orthodeoxia syndrome(POS)と診断された.POSとは座位で呼吸困難や低酸素血症が出現する現象を指し,本症例では卵円孔の開存に円背や大動脈基部の延長といった要因が加わりPOSを呈したと考えられた.呼吸困難や低酸素血症がどういった条件で生じるのか注意して診察することが,POSの診断に重要と考えられた.
Platypnea-orthodeoxia syndrome 卵円孔開存 低酸素血症
Received 31 Jan 2013 / Accepted 20 May 2013
連絡先:吉村 克洋
〒433-8558 静岡県浜松市北区三方原町3453
聖隷三方原病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(5): 593-597, 2013