直腸癌術後化学療法経過中に発症した細葉性肺結核症(岡IIB型)の1例
林 浩昭 粒来 崇博 谷本 英則 関谷 潔史 谷口 正実 秋山 一男
国立病院機構相模原病院臨床研究センター呼吸器内科・アレルギー科
症例は65歳,男性.直腸癌術後化学療法経過中,2008年12月胸部computed tomography(CT)にてびまん性播種状に小葉中心性粒状影を認め,紹介となった.初診時痰抗酸菌塗抹検査は陰性であったが後に痰抗酸菌培養陽性となり,PCRにて結核菌が同定された.画像所見もふまえ細葉性肺結核症と診断し,抗結核薬にて治療を行った.肺結核症,直腸癌の再発は認めず,現在外来通院中である.直腸癌術後化学療法経過中に細葉性肺結核症を発症した報告例はなく,悪性腫瘍治療経過上重要な病態と考え報告した.
Received 31 Jan 2013 / Accepted 5 Apr 2013
連絡先:林 浩昭
〒252-0392 神奈川県相模原市南区桜台18-1
国立病院機構相模原病院臨床研究センター呼吸器内科・アレルギー科
日呼吸誌, 2(5): 588-592, 2013