高IgG4血症を認めたChurg-Strauss症候群の1例―好酸球浸潤とIgG4陽性細胞浸潤の分布―
洛和会音羽病院呼吸器内科
73歳の男性が下肢の紫斑と労作時呼吸困難を主訴に来診した.低酸素血症があり,胸部X線写真,CTではびまん性の浸潤影を認めた.気管支鏡では気道粘膜に白苔を認めた.好酸球増多,気道閉塞の可逆性を認め,Churg-Strauss syndrome(CSS)の診断基準を満たしたが,高IgG4血症などIgG4関連疾患の診断基準にもほぼ合致した.気道の白苔と下肢の皮疹からの組織像では好酸球の浸潤が著しいが,IgG4陽性細胞は認めず,CSSの所見と合致した.肺組織はIgG4関連肺疾患の組織像を呈し,好酸球はほとんど認めなかった.ステロイド投与により速やかに低酸素血症,画像など臨床所見の改善を認めた.
IgG4関連疾患 IgG4関連肺疾患 Churg-Strauss症候群 IgG4陽性形質細胞 好酸球増多症
Received 20 Nov 2012 / Accepted 15 Mar 2013
連絡先:土谷 美知子
〒607-8062 京都市山科区音羽珍事町2
洛和会音羽病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(4): 429-436, 2013