手術にて救命した大量血胸合併von Recklinghausen病の1例
沼倉 忠久a 松浦 圭文a 滝口 寛人b 原 靖果a 松村 輔二c 箕輪 宗生c
a太田西ノ内病院呼吸器センター内科
b東海大学呼吸器内科
c太田西ノ内病院呼吸器センター外科
症例は41歳,男性.母がカフェオレ斑を有し,くも膜下出血で60歳時死亡.X年12月29日突然発症し徐々に増悪する右腰背部痛を主訴に,太田西ノ内病院呼吸器センター受診.胸部X線写真上右大量胸水貯留が疑われ,胸水穿刺にて血胸と診断.造影CTにて第9胸椎右側に血管外漏出を認め出血源と考えた.全身にカフェオレ斑と神経線維腫が多発.外傷の既往もなくvon Recklinghausen病に伴う大量血胸と診断.保存的治療にてショック状態の改善なく,開胸止血術を行い救命した.自然血胸はまれであり,本症に伴うものは死亡率が高く貴重な症例と考え報告した.
血胸 von Recklinghausen病 神経線維腫症I型 手術
Received 30 Oct 2012 / Accepted 25 Feb 2013
連絡先:沼倉 忠久
〒963-8558 福島県郡山市西ノ内2-5-20
太田西ノ内病院呼吸器センター内科
日呼吸誌, 2(4): 410-413, 2013