コンドロイチン・ヒアルロン酸が原因と考えられた薬剤誘起性肺炎の1例
久留米大学医学部内科学講座呼吸器・神経・膠原病内科部門
症例は74歳,男性.コンドロイチン・ヒアルロン酸の経口サプリメントを摂取2週間後より乾性咳嗽を認め,さらに4ヶ月後に労作時呼吸困難が出現したため入院となった.胸部X線上両下肺野に網状陰影と容量減少を認め,血清KL-6値が高値(3,378 U/L)で,気管支肺胞洗浄液ではリンパ球分画(55.2%)増多とCD4/8比(0.58)の低下を認めた.胸腔鏡下肺生検では非特異性間質性肺炎に類似し,間質への好酸球の浸潤を認めた.被疑薬中止で自然寛解し薬剤性誘起性肺炎と診断した.同サプリメントに伴う薬剤誘起性肺炎の報告はなく貴重な症例と考え報告した.
薬剤誘起性肺炎 経口サプリメント コンドロイチン ヒアルロン酸
Received 16 Oct 2012 / Accepted 17 Jan 2013
連絡先:田尻 守拡
〒830-0011 福岡県久留米市旭町67
久留米大学医学部内科学講座呼吸器・神経・膠原病内科部門
日呼吸誌, 2(4): 395-400, 2013