ANCA関連血管炎1例を含む,家族性間質性肺炎の1姉弟例
岡部 太郎a 黄 英文a 上石 修史a 須藤 晃彦a 高橋 英徳a 千代谷 厚a 木村 吉成b 田島 敦志b 大久保泰宏c 梅田 啓d 向井万起男e
a済生会宇都宮病院呼吸器内科
b同 呼吸器外科
c同 腎臓内科
d国際医療福祉大学塩谷病院呼吸器内科
e慶應義塾大学医学部病理診断部
症例は同じ父母をもつ姉弟3例.症例1は78歳,女性.62歳時に特発性肺線維症と診断され,78歳時急性増悪のため死亡.剖検所見では蜂窩状変化と肺組織の萎縮を認めた.症例2は68歳,女性.斑状すりガラス影に対して気管支鏡検査を施行され,慢性炎症細胞浸潤と肺胞隔壁の肥厚を認めた.後に壊死性半月体形成性糸球体腎炎を併発し,ANCA関連血管炎と診断された.症例3は63歳,男性.胸腔鏡下肺部分切除術を施行され,通常型間質性肺炎と診断された.家族性間質性肺炎症例中,ANCA関連血管炎の報告はなく,貴重な症例と考えられた.
Received 29 Aug 2012 / Accepted 31 Jan 2013
連絡先:黄 英文
〒321-0974 栃木県宇都宮市竹林町911-1
済生会宇都宮病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(4): 365-369, 2013