中枢気道病変の診断に対する,ホットバイオプシー鉗子生検の有用性
山村 健太a,* 出村 芳樹a 西 耕一a 松岡 寛樹a 新屋 智之a 西辻 雅a 笠原 寿郎b 藤村 政樹c
a石川県立中央病院呼吸器内科
b金沢大学附属病院呼吸器内科
c国立病院機構七尾病院呼吸器内科
*現 金沢大学附属病院呼吸器内科
中枢気道病変に対する生検では一般的に通常の生検鉗子を用いるが,合併症として中枢気道内出血が問題となる.ホットバイオプシー鉗子生検は,少ない出血で生検が施行でき注目されているが,我が国では報告がない.我々は中枢気道病変に対して,高周波およびホットバイオプシー鉗子を用いて生検を施行した53例を対象に,その有用性に関して後ろ向きに検討した.53例中33例(62.3%)で出血を認めたがすべて容易に止血し,53例中50例(94.3%)で病理診断が得られた.ホットバイオプシー鉗子生検は,少ない出血で病理診断が得られ,重要な合併症である出血の抑制効果が認められた.
肺癌 中枢気道病変 ホットバイオプシー鉗子 生検診断 気道内出血
Received 12 Sep 2012 / Accepted 11 Mar 2013
連絡先:山村 健太
〒920-8530 石川県金沢市鞍月東2-1
石川県立中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(4): 333-337, 2013