
経気管支鏡肺生検および気管支肺胞洗浄にて診断された慢性肺コクシジオイデス症の1例
町田 安孝a 福島 康次a 三好 祐顕a 小原 一記a 池田 康紀b 亀井 克彦c 宮崎 義継d 福田 健a
a獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
b宇都宮記念病院呼吸器外科
c千葉大学真菌医学研究センター臨床感染症分野
d国立感染症研究所真菌症担当部
症例は35歳,男性.2008年11月から2011年10月まで仕事のため米国アリゾナ州ツーソンに滞在.帰国後の検診にて胸部異常陰影(右下葉の結節影)を指摘された.気管支鏡検査を施行し,経気管支肺生検組織にて形態学的にコクシジオイデス症と診断.国立感染症研究所に移送した気管支肺胞洗浄液の培養から真菌コロニーを認め,その遺伝子解析の結果Coccidioides posadasiiと同定された.気管支鏡を用いて肺コクシジオイデス症と診断された症例は少ないため報告する.
Coccidioides posadasii 肺コクシジオイデス症 輸入真菌症
Received 8 Aug 2012 / Accepted 25 Oct 2012
連絡先:福島 康次
〒321-0293 栃木県下都賀郡壬生町北小林880
獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
日呼吸誌, 2(3): 274-278, 2013