両側腎転移に対し両側腎摘除術を行い長期生存した非小細胞肺癌の1例
久保田 豊a 谷村 恵子a 山田 崇央a 原 洋a 桂 奏b
a京都第二赤十字病院呼吸器内科
b同 病理診断科
症例は62歳,男性.2007年,職場健診にて右肺腫瘤影を指摘された.非小細胞肺癌(T4N1M0,stage IIIB)と診断後,放射線化学療法にて部分寛解を得た.2008年,両腎腫瘤を指摘され,左腎に対する経皮生検にて肺癌腎転移と診断された.化学療法を継続したが腫瘤は増大し,腎機能は悪化した.原発巣は寛解を維持しており,腎転移以外に転移を認めないことから,2009年6月に透析導入後,同年7月に左腎,8月に右腎を経腹的に摘除した.その後,残存腫瘍の出現があり放射線照射を行ったが,術後2年以上生存した.
Received 13 Jun 2012 / Accepted 27 Sep 2012
連絡先:久保田 豊
〒602-8026 京都市上京区釜座通丸太町上ル春帯町355-5
京都第二赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(3): 233-237, 2013