肺リンパ増殖性疾患および特発性CD4リンパ球減少症を合併したSjögren症候群の1例
木下 義晃a 坂本 篤彦a 生田 安司b 田村 和貴b 日髙 孝子a
a独立行政法人国立病院機構小倉医療センター呼吸器科
b同 呼吸器外科
症例は55歳,男性.乾性咳嗽,発熱を主訴に受診した.両側上葉の粒状影,縦隔リンパ節腫大を認め,組織生検で肺リンパ増殖性疾患と診断した.また経過中にSjögren症候群,特発性CD4リンパ球減少症の診断基準を満たした.再発性気胸・呼吸不全を呈したため,全身性ステロイドを開始したが,播種性クリプトコッカス症を併発し不幸な転帰をたどった.肺リンパ増殖性疾患および特発性CD4リンパ球減少症は,自己免疫性疾患に併発する病態だが,併存例はまれであり,播種性クリプトコッカス症をきたした点でも示唆に富むと考えられ報告する.
Sjögren症候群 リンパ増殖性疾患 濾胞性細気管支炎 特発性CD4リンパ球減少症 播種性クリプトコッカス症
Received 1 Jun 2012 / Accepted 21 Sep 2012
連絡先:木下 義晃
〒802-8533 福岡県北九州市小倉南区春ヶ丘10-1
独立行政法人国立病院機構小倉医療センター呼吸器科
日呼吸誌, 2(3): 228-232, 2013