肺腺癌治療中に悪性リンパ腫を併発した1例
正木 晴奈 石井 聡 放生 雅章 竹田雄一郎 小林 信之 杉山 温人
国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
症例は74歳,女性.主訴は労作時呼吸困難.胸部X線写真にて心拡大,両側胸水を認めた.2年前から肺腺癌に対しゲフィチニブ(gefitinib)を内服していた.鑑別として肺癌,原発性滲出性リンパ腫(primary effusion lymphoma:PEL)を考慮した.胸水セルブロックの免疫染色よりびまん性大細胞性B細胞リンパ腫と診断され,臨床経過からもPELが推察された.肺腺癌治療中に悪性リンパ腫を併発した1例を経験した.PELに関しての文献的考察を含め報告する.
原発性滲出性リンパ腫 重複癌 びまん性大細胞性B細胞リンパ腫 セルブロック
Received 30 May 2012 / Accepted 26 Nov 2012
連絡先:正木 晴奈
〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1
国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(3): 219-222, 2013