エタンブトール視神経症の発生割合と定期的視力検査の有用性
松本 正孝a 濱川 正光a 桜井 稔泰a 多田 公英a 池田 顕彦a 加藤 達雄b 吉山 崇c 藤山 理世d 中村 文明e
a西神戸医療センター呼吸器内科
b長良医療センター呼吸器内科
c複十字病院呼吸器内科
d神戸市保健所予防衛生課
e京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療疫学分野
エタンブトール(ethambutol:EB)視神経症の発生割合と定期的視力検査の有用性を明らかにするため,全国の主要結核治療機関133施設を対象にアンケート調査を行った.49施設より回答があり,EB視神経症は32例,発生割合は0.440%であった.EB過量投与(20 mg/kg以上)は2例のみであり,また,発症までの期間では6ヶ月以上が全体の75%を占めていた.EB服用開始前後より定期的に視力検査を実施している患者群は,実施していない患者群に比べてEB視神経症が有意に多かった(オッズ比4.25,p=0.005).
Received 15 Oct 2012 / Accepted 19 Dec 2012
連絡先:松本 正孝
〒651-2273 兵庫県神戸市西区糀台5-7-1
西神戸医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 2(3): 187-192, 2013