大学職員における受動喫煙の認識と尿中コチニン濃度を指標とした受動喫煙に関する調査
古賀 光a,b 岩﨑 良章a 金廣 有彦b 清水 幸登a 大西 勝a 宮原 信明b 谷本 安b 谷本 光音b 小倉 俊郎a
a岡山大学保健管理センター
b岡山大学大学院医歯薬学総合研究科血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科学
大学職員における受動喫煙の認識と実態把握を目的として,職員506名(うち喫煙者25名を含む)を対象に,尿中と血液中のニコチン代謝産物であるコチニンの濃度測定および喫煙・受動喫煙に関するアンケート調査を行った.尿中と血液中のコチニン濃度は有意に正の相関を示した(p<0.001).「アンケートによる受動喫煙の自覚」と「尿中コチニン濃度から判定した受動喫煙の有無」の一致率は65.2%と,両者の間には乖離がみられた.受動喫煙の客観的評価に尿中コチニン濃度の測定は有用であり,受動喫煙防止対策にも有効と考えられた.
Received 25 May 2012 / Accepted 18 Sep 2012
連絡先:古賀 光
〒700-8530 岡山市北区津島中2-1-1
岡山大学保健管理センター
日呼吸誌, 2(3): 175-181, 2013