乳癌放射線治療後に出現した照射野外肺野病変の臨床的検討
山本 佑樹a,* 村田 研吾a 阪下健太郎a,# 宮本 牧a 和田 曉彦a 樫山 鉄矢b 藤田 明a,† 高森 幹雄a
a東京都立多摩総合医療センター呼吸器科
b同 救急診療科
*現 京都大学大学院医学研究科呼吸器内科
#現 長崎大学医学部感染症科
†現 東京都医療公社多摩北部医療センター
乳癌放射線治療後の肺有害事象として,照射野外に出現する器質化肺炎,好酸球性肺炎がある.東京都立多摩総合医療センターで経験した器質化肺炎9例,好酸球性肺炎1例,合計10例につき,後方視的な解析を行った.患者は,すべて非喫煙女性で平均年齢は62.3歳であり,照射終了から発症までの平均期間は119日であった.9例で内分泌療法が施行されていた.7例はプレドニゾロン内服,3例は無治療で全例改善したが,3例で再燃を認めた.照射野外肺有害事象の発症に喫煙が抑制的に,内分泌療法が促進的に作用する可能性も考えられたが,今後検討を要する.
Received 25 May 2012 / Accepted 18 Sep 2012
連絡先:山本 佑樹
〒183-8524 東京都府中市武蔵台2-8-29
東京都立多摩総合医療センター呼吸器科
日呼吸誌, 2(3): 169-174, 2013