Capnocytophaga sputigenaによる肺化膿症の1例
内藤 亮a,b 瀧口 恭男a 秋葉 容子c 駿河 洋介c 鈴木 道雄d 今岡 浩一d
a千葉市立青葉病院呼吸器内科
b千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学
c千葉市立青葉病院臨床検査科
d国立感染症研究所獣医科学部第一室
症例は27歳,男性.海外滞在中に右下葉結節影を指摘され,帰国後の2011年2月に当院受診した.気管支鏡検査では確定診断が得られず,CTガイド下肺生検を施行.吸引液の塗沫では悪性細胞や有意な細菌は認められなかったが,多数の白血球が認められた.その後Capnocytophaga sp.が培養され,16S rRNA遺伝子解析によりCapnocytophaga sputigenaと同定された.肺化膿症の診断で抗菌薬治療を行い,およそ1年後の胸部CT写真でわずかに瘢痕を残すのみとなった.本菌が呼吸器検体から分離・同定された症例は海外でわずか1例報告されているのみであり,本邦第1例として報告する.
Received 26 Jul 2012 / Accepted 21 Aug 2012
連絡先:内藤 亮
〒260-0852 千葉市中央区青葉町1273-2
千葉市立青葉病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(2): 157-161, 2013