超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)で診断した原発不明癌の1例
上村 剛大 小栗 鉄也 宮崎 幹規 大久保仁嗣 前野 健 新実 彰男
名古屋市立大学大学院医学研究科腫瘍・免疫内科学
症例は64歳,男性.背部痛で名古屋市立大学病院受診,MRIで脊椎病変を認め,ポジトロン断層法(positron emission tomography:PET)で右肺門・縦隔リンパ節と脊椎病変に集積を認めた.右肺門部リンパ節で超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)を施行,癌細胞を認め,原発不明癌(CUP)と診断した.死後の病理解剖では多臓器への転移を認めたが,原発巣は特定できなかった.CUPは転移形式が多彩で診断に苦慮することも多く,低侵襲な検査による確実な診断が必要である.CUPはリンパ節への転移が多く,肺門・縦隔リンパ節転移を疑う症例ではEBUS-TBNAが有用である.
Received 8 Jun 2012 / Accepted 7 Sep 2012
連絡先:上村 剛大
〒467-8601 愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
名古屋市立大学大学院医学研究科腫瘍・免疫内科学
日呼吸誌, 2(2): 148-152, 2013