経過中に両肺にすりガラス陰影を呈した肺リンパ腫様肉芽腫症の2例
小坂 充a,b,* 町田 良亮b,c 津島 健司a,b 松尾 明美a,b 久保 惠嗣b 川口 研二d
aJA長野厚生連篠ノ井総合病院呼吸器科
b信州大学医学部内科学第一講座
cJA長野厚生連松代総合病院呼吸器科
dJA長野厚生連篠ノ井総合病院病理科
*現 長野市民病院呼吸器内科
症例1は85歳,男性,両肺に多発結節影とすりガラス陰影を認め,ステロイド治療を開始したところ,陰影は改善した.感染症の合併もあり死亡したが,剖検で肺リンパ腫様肉芽腫症と診断された.症例2は71歳,男性,両肺に多発結節影を認め,胸腔鏡下肺生検で肺リンパ腫様肉芽腫症と診断された.化学療法を開始し,多発結節影は縮小したが,両肺にすりガラス陰影を認めた.ステロイド治療でいったん改善したが,感染症の合併もあり死亡した.経過中にすりガラス陰影を呈した肺リンパ腫様肉芽腫症の2例を報告する.
Received 25 Apr 2012 / Accepted 17 Jul 2012
連絡先:小坂 充
〒388-8004 長野市篠ノ井会666-1
JA長野厚生連篠ノ井総合病院呼吸器科
日呼吸誌, 2(2): 134-138, 2013