関節リウマチにサルコイドーシスを合併した1例
黒崎 史朗a 坂東 政司a 武村 民子b 間藤 尚子a 山沢 英明a 江石 義信c 杉山幸比古a
a自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門
b日本赤十字社医療センター病理部
c東京医科歯科大学人体病理学分野
症例は46歳,女性.主訴は多発関節痛と労作時呼吸困難で,前医で関節リウマチと間質性肺炎が疑われ,自治医科大学呼吸器内科紹介となった.胸腔鏡下肺生検と皮膚生検にて類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイドーシス(サ症)と診断した.関節痛はサ症の関節病変と考えられたが,4年後に関節のびらんや環軸関節亜脱臼を認め,関節リウマチと診断された.肺組織の病理標本を再検討したところ,肉芽腫とともに濾胞性細気管支炎を認めたことから,当初から関節リウマチに伴う肺病変が発症していたと考えられた.関節病変および間質性肺炎を認めるサ症では,関節リウマチの合併を考慮する必要があるものと思われた.
Received 12 Apr 2012 / Accepted 20 Jul 2012
連絡先:黒崎 史朗
〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1
自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門
日呼吸誌, 2(2): 128-133, 2013