気管支喘息を合併した高IgM症候群の1例
張 仁美 清水 崇 小泉 健 木村 夕香 手塚 貴文 伊藤 和彦 塚田 弘樹
新潟市民病院呼吸器内科
高IgM症候群は,血清中のIgMが高値または正常値を示す一方でIgGやIgAは低下し易感染状態となる原発性免疫不全症であり,遺伝子異常によって起こる比較的まれな疾患である.我々は,幼少時より細菌感染症を繰り返す29歳女性の高IgM症候群の1例を経験した.血液検査でIgGが640 mg/dl(正常値:825~1,852 mg/dl),IgA 47 mg/dl(正常値:91~385 mg/dl),IgM 420 mg/dl(正常値:11~185 mg/dl)であり,かつ血液中のB細胞数が正常であったことから,高IgM症候群と診断した.また患者は15歳時に気管支喘息と診断され,以後喘息発作を繰り返していた.高IgM症候群について,および低IgA血症と気管支喘息との関連について文献的考察を加え報告する.
高IgM症候群 原発性免疫不全症候群 気管支喘息 IgA 気管支拡張症
Received 14 Mar 2012 / Accepted 7 Sep 2012
連絡先:清水 崇
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新潟市民病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(2): 119-122, 2013