IgG4関連疾患の顕在化に先行して肺の炎症性偽腫瘍が存在した1症例
林 良太 樋浦 徹 石田 晃 阿部 徹哉 田中 洋史 横山 晶
新潟県立がんセンター新潟病院内科
症例は73歳,男性.体重減少を自覚し,近医でIgG4分画増加を伴う高γグロブリン血症を指摘され,新潟県立がんセンター新潟病院内科を紹介され受診した.画像上,右胸膜肥厚および後腹膜線維症とそれに伴う水腎症を認めた.胸膜生検を行いIgG4関連疾患と診断した.3年前に切除した肺炎症性偽腫瘍について再検討し,IgG4陽性形質細胞が少数ではあるが認められ,肺炎症性偽腫瘍がIgG4関連疾患の前駆病変である可能性が考えられた.
Received 31 Jan 2012 / Accepted 2 May 2012
連絡先:樋浦 徹
〒951-8566 新潟市中央区川岸町2-15-3
新潟県立がんセンター新潟病院内科
日呼吸誌, 1(7): 589-593, 2012