肺野の広範なすりガラス状陰影を伴う悪性リンパ腫の1例
a済生会兵庫県病院呼吸器外科
b同 病理診断科
症例は65歳,女性.乾性咳嗽と呼吸困難の主訴にて済生会兵庫県病院に紹介,胸部CTで両肺野のすりガラス状陰影と縦隔リンパ節腫大を認めた.ステロイドパルス療法にて顕著に改善が得られたものの,1週間後に著しい増悪を認めた.シクロホスファミド(cyclophosphamide)パルス療法も併用し,いったんは改善が得られたものの,約3週間後再増悪を認めた.縦隔鏡下リンパ節生検の結果,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫との確定診断を得て,化学療法を行い寛解を得ることができた.肺間質性陰影の病態としては,二次的な反応性変化であると判断し,文献的考察を加え報告を行う.
すりガラス状陰影 縦隔リンパ節腫大 ステロイドパルス療法 縦隔鏡下リンパ節生検 悪性リンパ腫
Received 12 Apr 2012 / Accepted 28 Jun 2012
連絡先:富山 憲一
〒651-1302 兵庫県神戸市北区藤原台中町5-1-1
済生会兵庫県病院呼吸器外科
日呼吸誌, 2(1): 73-77, 2013