Klebsiella ozaenaeによる壊死性大葉性肺炎を生じた大酒家の1例
孫野 直起 福田 光輝 加藤 友美 小野健太郎 齊藤 隆一 竹田 知史 上田 哲也 長谷川吉則 坂東 憲司
大阪府済生会中津病院呼吸器内科
症例は69歳,男性.右肺炎にて近医より紹介.右上葉から中葉を主とした大葉性肺炎を認めた.アルコール多飲歴あり.痰よりKlebsiella ozaenaeを検出し,K. ozaenaeによる大葉性肺炎と診断した.抗菌薬(メロペネム,パズフロキサシン)にて治療を行ったところ,内部に空洞を呈し壊死性肺炎となったが,その後肺炎の改善とともに空洞は縮小しほぼ消失した.その後肺炎像内部に気管支拡張像を生じる過程でpneumatoceleを形成した.Klebsiella属のなかでもK. ozaenaeによる市中肺炎の報告は珍しく,K. pneumoniaeと同様の壊死を伴う大葉性肺炎を生じpneumatoceleを形成するまでの経過を胸部CT画像にて詳細に追うことができた.
クレブシエラ肺炎 Klebsiella ozaenae 壊死性肺炎 ニューマトセル
Received 7 Nov 2011 / Accepted 11 Jun 2012
連絡先:孫野 直起
〒535-0012 大阪市北区芝田2-10-39
大阪府済生会中津病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(1): 8-12, 2013