造影CTにより早期発見し未破裂のまま治療しえたRasmussen動脈瘤の1例
入來 豊久*,a 森野英里子a 高崎 仁a 杉山 温人a 小林 信之a
*現所属:熊本地域医療センター呼吸器科
a独立行政法人国立国際医療研究センター呼吸器内科
34歳男性.発熱,咳嗽,血痰,右胸痛を主訴に前医受診.肺結核の診断にて国立国際医療研究センター呼吸器内科紹介入院となった.入院後は抗結核薬の投与と対症療法によりすみやかに血痰は消失したが,胸部造影CTを施行し,Rasmussen動脈瘤の存在が判明したため未破裂のままコイルによる肺動脈塞栓術を施行することができた.本症例のように空洞を伴う肺結核患者に血痰・喀血がみられる場合は,まれな合併症であるRasmussen動脈瘤も考慮し,胸部造影CTを行う必要があると考えられた.
Received 24 Nov 2011 / Accepted 7 Feb 2012
連絡先:入來 豊久
〒860-0811 熊本中央区本荘5-16-10
熊本地域医療センター呼吸器科
日呼吸誌, 1(5): 439-444, 2012