5次化学療法としてのCAMP療法が奏効した胸腺腫の1例
渡邉 恵介a 新海 正晴a 後藤 秀人a 吉川 純子a 山口 展弘a 原 悠a,b 森山 雄介a 石ヶ坪良明c 金子 猛a
a横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター
b防衛医科大学校内科学講座2感染症呼吸器
c横浜市立大学大学院病態免疫制御内科学
症例は67歳女性.2008年10月に胸腺腫(WHO分類type B1)正岡IVa期と診断された.2008年11月よりシスプラチン+ドキソルビシン+ビンクリスチン+シクロフォスファミド,2009年4月よりカルボプラチン+パクリタキセル,2009年6月よりカルボプラチン+エトポシド,2010年1月よりドセタキセルによる化学療法を施行した.その後外来で経過観察していたが,2010年7月の胸部CTで原発巣,胸膜播種巣の増大あり,シスプラチン+ドキソルビシン+メチルプレドニゾロン(CAMP療法)による5次化学療法を4コース施行し,著明な腫瘍縮小効果を認めた.有害事象は軽度で忍容性は良好であった.CAMP療法は既治療胸腺腫に対する化学療法レジメンの選択肢になる可能性があると考えられた.
Received 12 Aug 2011 / Accepted 27 Jan 2012
連絡先:新海 正晴
〒232-0024 神奈川県横浜市南区浦舟町4-57
横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター
日呼吸誌, 1(5): 399-403, 2012