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書誌情報

原著

外来市中肺炎治療における炎症性マーカーについて

古橋 一樹a 藤澤 朋幸a 早川 啓史b 横村 光司c 豊嶋 幹生d 安田 和雅e 菅沼 秀基f 白井 敏博g 山田  孝h 増田 昌文i 千田 金吾a 

a浜松医科大学呼吸器内科
b国立病院機構天竜病院呼吸器科
c聖隸三方原病院呼吸器内科
d浜松労災病院呼吸器内科
e磐田市立総合病院呼吸器内科
f市立島田市民病院呼吸器内科
g静岡県立総合病院呼吸器内科
h静岡市立静岡病院呼吸器内科
i静岡市立清水病院呼吸器内科

要旨

外来治療可能な市中肺炎には,治療でいったん改善しても短期間に再び呼吸器感染症を発症する例を経験するが予測は難しい.また炎症性マーカーは,特異性が低いとされる一方,重症度や抗菌薬中止の判定に有用との報告もある.今回,外来市中肺炎の治療判定指標として炎症性マーカーの有用性を検討した.対象は浜松医科大学関連病院の外来市中肺炎患者66例.モキシフロキサシン(moxifloxacin)400 mg/日を投与し,初日,3〜4日後,7日後にWBC,CRP,SAA,PCTを測定した.治療効果の有効63例(95.5%)中,治療終了28日後に治癒と判定した例は58例(87.9%),再び呼吸器感染症を発症し再治療した例は5例(7.6%)であった.その2群間で各測定日の平均値に差はなかったが,CRPとSAAは治療開始から7日後の変化率に有意差を認めた.以上より外来市中肺炎治療7日後のCRP,SAAの変化率は,再治療を予測する指標となる可能性が示唆された.

キーワード

市中肺炎 C-反応性蛋白 血清アミロイドA蛋白 プロカルシトニン 変化率 

Received 27 Oct 2011 / Accepted 11 Jan 2012
連絡先:古橋 一樹
〒431-3192 静岡県浜松市東区半田山1-20-1
浜松医科大学呼吸器内科

日呼吸誌, 1(4): 294-303, 2012

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