椎体周囲に後縦隔腫瘤を形成したIgG4関連疾患の1例
谷口 優子a,* 森山有紀子a 三ツ村隆弘a 瀧 玲子a 吉澤 正文a 高野 弥奈b
a武蔵野赤十字病院呼吸器科
b同 血液・腫瘍内科
*現 九段坂病院内科
症例は41歳男性.主訴は左顎下リンパ節腫大,両側眼瞼腫脹.胸部CTで縦隔リンパ節腫大,胸椎椎体周囲の帯状後縦隔腫瘤を認めた.左顎下リンパ節生検ではリンパ濾胞増生,濾胞間の小型リンパ球浸潤,IgG4陽性形質細胞浸潤がみられた.後縦隔腫瘤生検では散在性リンパ球集簇,周囲に形質細胞増加,IgG,IgG4陽性細胞のびまん性増加を認めた.血清IgG,IgG4高値とあわせIgG4関連疾患と診断した.プレドニゾロン30 mg/日の投与により両側眼瞼腫脹改善,後縦隔腫瘤縮小を認めた.本例は後縦隔腫瘤に対しCTガイド下経皮的生検で病理組織像を得たIgG4関連疾患の貴重な1例である.
Received 19 May 2011 / Accepted 7 Dec 2011
連絡先:谷口 優子
〒180-8610 東京都武蔵野市境南町1-26-1
武蔵野赤十字病院呼吸器科
日呼吸誌, 1(3): 201-206, 2012